吐き気、嘔吐の原因、疾患、治療方法とは|東新宿駅前こばやし消化器内科|お腹の症状を胃カメラでみる

ヘッダー画像

吐き気がする・吐いてしまう

吐き気、嘔吐の原因、疾患、治療方法とは|東新宿駅前こばやし消化器内科|お腹の症状を胃カメラでみる

概要

吐き気(悪心)や嘔吐は、胃の内容物を口から強制的に排出させようとする生体防御反応の一つです。脳にある嘔吐中枢が、消化管、内耳、あるいは血液中の薬物や毒素からの信号を受け取ることで引き起こされます。消化器疾患が原因となることが最も多いですが、脳疾患、心血管疾患、内分泌異常、精神的ストレスなど、その背景は多岐にわたります。

 

一時的な過飲過食や食中毒、乗り物酔いなどで起こることもありますが、激しい嘔吐が続く場合は、脱水症状や電解質異常を招く危険があります。特に消化管の閉塞や穿孔、頭蓋内圧の上昇といった緊急性の高い病態のサインである可能性も排除できないため、随伴症状を含めた論理的な評価が不可欠です。

症状の特徴

・具体的な感覚

「胸のあたりがむかむかする」「胃がひっくり返るような不快感」として自覚される悪心と、実際に胃の内容物を排出する嘔吐に分けられます。嘔吐の前には、唾液の分泌増加、冷や汗、心拍数の増加などの自律神経症状を伴うことが一般的です。

 

・発生のタイミング

食後すぐに吐いてしまう場合は、急性胃炎や胃の出口の狭窄が疑われます。一方で、食後数時間が経過してから、前の食事が混じったものを吐く場合は、胃の運動機能低下や腸閉塞の可能性があります。また、早朝の空腹時に吐き気が強い場合は、代謝異常や脳圧亢進、あるいは精神的要因が関連していることもあります。

 

・吐物の状態

吐き出したものの中に血液が混じる(吐血)、コーヒー残渣のような黒褐色のものが混じる、あるいは胆汁(緑色の液体)が混じるといった情報は、出血部位や閉塞部位を特定する上で極めて重要な手がかりとなります。

合わせて起こりやすい症状

・消化器症状

腹痛、下痢、腹部膨満感、便秘などが挙げられます。激しい腹痛を伴う嘔吐は、腸閉塞や胆石症、急性膵炎などの急性腹症の可能性を示唆します。下痢を伴う場合は、感染性胃腸炎などの感染症が疑われます。

 

・全身および他部位症状

強い頭痛、めまい、ふらつき、意識障害、胸の痛み、あるいは高熱を伴うことがあります。特に、突然の激しい頭痛に伴う嘔吐はくも膜下出血などの脳外科的疾患を、胸痛を伴う場合は心筋梗塞を念頭に置く必要があります。また、繰り返す嘔吐により口の中が乾く、尿量が減るといった脱水症状にも注意が必要です。

考えられる主な原因

一時的な要因

・生活習慣および環境

アルコールの過剰摂取、腐敗した食品の摂取(食中毒)、乗り物酔い、あるいは強度の精神的緊張によって引き起こされます。これらは原因が去れば短期間で改善することが多いですが、症状が激しい場合は処置を要します。

 

関連する疾患

・感染性胃腸炎

ウイルス(ノロウイルス、ロタウイルスなど)や細菌の感染により、急激な嘔吐と下痢が生じます。集団発生のリスクもあり、脱水対策が重要です。

 

・胃潰瘍、十二指腸潰瘍

粘膜の深い傷や、それに伴う腫れによって胃の出口が狭くなると、胃の内容物が停滞して嘔吐を招きます。

 

・腸閉塞(イレウス)

何らかの原因で腸管の通り道が塞がり、内容物が逆流して激しい嘔吐が生じます。お腹が張り、便やガスが出なくなるのが特徴で、緊急の処置が必要です。

 

・胆石症、急性胆嚢炎、急性膵炎

胆嚢や膵臓に強い炎症が起きると、激しい腹痛とともに反射的な嘔吐が誘発されます。

 

・機能性ディスペプシア

検査で目に見える異常がないにもかかわらず、胃の動きが悪いために慢性的な吐き気や胃もたれが続く状態です。

 

・脳疾患、内分泌疾患

脳腫瘍や脳出血による脳圧の上昇、あるいは糖尿病ケトアシドーシスや腎不全などの代謝異常が吐き気の原因となることがあります。

原因を調べるための検査

・問診

いつから始まったか、吐物の内容はどのようなものか、腹痛や頭痛の有無、現在服用中の薬などを詳細に確認します。あらかじめ経過を整理しておくことが、迅速な原因特定に繋がります。

 

・上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

食道、胃、十二指腸に潰瘍、炎症、腫瘍、あるいは狭窄がないかを直接観察します。吐き気の原因が消化管の上部にある場合、最も確定診断に近い検査となります。

 

・腹部超音波検査、CT検査

肝臓、胆嚢、膵臓、腸管の状態を確認します。石の有無、炎症の広がり、腸管の腫れや閉塞の有無を客観的な画像データとして評価します。

 

・血液検査

炎症の強さ、脱水の程度(尿素窒素や電解質)、肝機能・膵機能、代謝異常の有無を数字で確認し、全身状態を論理的に把握します。

早めの受診が推奨されるケース

嘔吐は体力の消耗が激しく、背後に重大な疾患が隠れていることが多いため、以下のような場合は早急な対応が必要です。

 

・警戒すべき症状

突然の激しい頭痛や胸痛を伴う場合、意識が朦朧としている場合、吐物に血液や黒いものが混じる場合。また、激しい腹痛があり、ガスや便が全く出ない場合も緊急性が高いと判断されます。

 

・生活への影響

水分すら受け付けず脱水症状が疑われる場合や、吐き気が数日以上続いて食事が摂れない場合。市販の吐き気止めを使用しても改善しない場合は、機能的な問題か器質的な疾患かを切り分ける必要があります。

 

・早期診断の重要性

「一晩寝れば治る」と自己判断せず、適切な検査を受けることが重症化を防ぐ鍵となります。特に高齢者や持病のある方は脱水の影響を強く受けやすいため、あらかじめ早めのご相談を検討してください。機能的な異常か、物理的な閉塞かを見極めることが治療方針の決定において重要です。