腹痛、お腹が痛い原因、疾患、治療方法とは|東新宿駅前こばやし消化器内科|お腹の症状を内視鏡でみる

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お腹が痛い(腹痛)

腹痛、お腹が痛い原因、疾患、治療方法とは|東新宿駅前こばやし消化器内科|お腹の症状を内視鏡でみる

概要

お腹が痛い状態は、腹痛(ふくつう)と呼ばれ、日常的に最も頻度の高い症状の一つです。腹部には胃、小腸、大腸といった消化管だけでなく、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、さらには泌尿器や婦人科系の臓器が密集しています。

 

腹痛は、これら臓器の炎症、閉塞、穿孔(穴があくこと)、あるいは血流障害などによって引き起こされます。痛みの部位や種類、強さは、原因となる疾患を特定するための論理的な手がかりとなります。単なる食べ過ぎや冷えによるものから、一刻を争う緊急手術が必要な急性腹症まで、その背景は極めて多岐にわたるため、慎重な鑑別が不可欠です。

症状の特徴

・痛みの部位

お腹を4つ、あるいは9つの領域に分けて考えます。上腹部(みぞおち)の痛みは胃や十二指腸、胆嚢の疾患が多く、下腹部の痛みは大腸や泌尿器、婦人科系の疾患が疑われます。また、最初はみぞおちが痛く、のちに右下腹部へ痛みが移動するケースは、典型的な虫垂炎(盲腸)の経過です。

 

・痛みの性質

「しくしくと持続的に痛む(内臓痛)」は炎症初期や管腔臓器の伸展でみられます。「刺すように激しく、場所がはっきりした痛み(体性痛)」は、腹膜に炎症が及んでいるサインです。また、一定の間隔で痛みが強くなったり弱まったりする「疝痛(せんつう)」は、胆石や尿路結石、腸閉塞などでよくみられる特徴的な痛みです。

 

・発生のタイミング

空腹時に痛む場合は胃・十二指腸潰瘍、食後すぐに痛む場合は胃炎や胃がん、脂っこい食事の後に右上が痛む場合は胆石症などが疑われます。突然、何時何分とはっきり言えるほど急激に始まった激痛は、血管の破裂や臓器の穿孔といった緊急事態を示唆する論理的な指標となります。

合わせて起こりやすい症状

・消化器症状

吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹部膨満感(お腹の張り)、血便、黒色便などが挙げられます。特に、激しい腹痛とともに便やガスが全く出なくなる場合は腸閉塞、黒い便が出る場合は上部消化管出血の可能性を強く考慮する必要があります。

 

・全身症状

発熱、冷や汗、顔面蒼白、血圧低下、頻脈などがみられることがあります。これらは全身に炎症が回っている、あるいはショック状態に陥りかけている兆候です。また、背中や肩に痛みが響く(放散痛)こともあり、胆石や膵炎、あるいは心筋梗塞や解離性大動脈瘤といった腹部以外の重大な疾患が隠れていることもあります。

考えられる主な原因

消化管の疾患

・胃・十二指腸潰瘍、胃炎

ピロリ菌や鎮痛剤の影響で粘膜が傷つくことで起こります。

・感染性胃腸炎(食中毒)

細菌やウイルスの感染により、腹痛とともに下痢や嘔吐が生じます。

・大腸がん、憩室炎

大腸の病変により、便通異常を伴う腹痛が起こります。

・腸閉塞(イレウス)

腸の流れが止まり、激痛と嘔吐、お腹の張りが生じる緊急性の高い状態です。

肝・胆・膵の疾患

・胆石症、胆嚢炎

胆石が詰まったり炎症が起きたりすることで、右上の腹部に激痛が走ります。

・急性膵炎

アルコールや胆石が原因で膵臓に自己消化が起きる、生命に関わる重篤な疾患です。

 

その他の疾患

・尿路結石

腰から下腹部にかけて、のたうち回るような激痛が生じます。

・婦人科疾患

子宮外妊娠の破裂や卵巣嚢腫の茎捻転など、緊急処置を要するものがあります。

原因を調べるための検査

・問診・触診

痛みの場所、種類、始まった時期、お腹の硬さ(腹膜炎の兆候がないか)を詳細に確認します。これにより、緊急性の有無を論理的に判断します。

 

・血液検査

炎症数値(CRP、白血球)、肝・膵機能、貧血、電解質などを確認し、全身の炎症状態を数字で把握します。

 

・腹部超音波(エコー)検査

放射線被曝がなく、胆石、胆嚢炎、膵炎、腹水、虫垂炎などの有無を迅速にリアルタイムで確認できる非常に有用な検査です。

 

CT検査

お腹の中全体を詳細な画像データで確認します。腸閉塞の部位特定や、血管の異常、炎症の広がりを論理的に評価するために不可欠です。

 

・上部・下部内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)

粘膜の直接的な炎症や潰瘍、腫瘍がないかを確認します。慢性的な腹痛や、血便・黒色便を伴う場合に実施されます。

早めの受診が推奨されるケース

「お腹が痛い」という訴えの中には、放置すると命に関わる事態が隠れています。

 

・警戒すべき症状

突然始まった耐え難い激痛、お腹が板のように硬くなっている、意識が朦朧としている、吐血や下血がある、高熱を伴う、といった場合。これらは急性腹症と呼ばれ、直ちに外科的処置や入院加療が必要なサインです。

 

・生活への影響

鈍い痛みが数日間続いている、徐々に痛みが強くなっている、食欲が全くない、といった場合も、背後に慢性的な炎症や腫瘍が隠れている可能性があるため、精密な精査が推奨されます。

 

・早期診断の重要性

ただの腹痛と自己判断して鎮痛剤などで誤魔化すと、病状を覆い隠してしまい、手遅れになるリスクがあります。機能的な異常か、器質的な病変かを論理的に切り分けることが重要です。あらかじめ早めの相談を検討してください。