急性膵炎
急性膵炎
急性膵炎は、膵臓に突然激しい炎症が起こる急性の病態です。膵臓が作り出す強力な消化液(膵液)が、何らかの理由で膵臓の内部で活性化してしまい、自らの組織を溶かしてしまう「自己消化」を引き起こすことが原因です。典型的な症状として、みぞおちから背中にかけての激しい痛みや、吐き気、嘔吐が突然現れます。
軽症のまま数日の絶食と点滴で回復するケースが多くありますが、約10〜20%は重症化し、炎症が全身に波及して肺や腎臓などの臓器が機能不全に陥る(多臓器不全)ことがあります。発症の主な原因は「アルコールの過剰摂取」と「胆石」です。急激な腹痛が現れた場合は、市販薬などで対処せず、救急外来や消化器内科を受診することが推奨されます。
急性膵炎の症状は急激に現れ、時間とともに強くなる傾向があります。
重症化のサイン(要注意)
膵臓は、食べ物(タンパク質、脂肪、炭水化物)を分解する強力な消化酵素(トリプシン、リパーゼ、アミラーゼなど)を作り出す外分泌機能を持っています。通常、これらの酵素は膵臓の内部では「不活性な状態(前駆体)」として安全に保たれており、十二指腸に放出されて初めて活性化して働く仕組みになっています。
急性膵炎は、この仕組みが破綻する病態です。何らかの引き金によって、膵臓の細胞内でトリプシンが異常に活性化し、他の強力な酵素群を次々と活性化させて、自らの膵臓の細胞や周囲の組織を溶かして破壊し始めます(自己消化)。この組織破壊によって大量の炎症性物質(サイトカイン)が放出され、局所の炎症が引き起こされます。
急性膵炎の特徴の一つは、局所の炎症にとどまらず、全身の病態へ拡大するリスクがある点です。
急性膵炎を発症する原因の約70〜80%は「アルコール」と「胆石」の2つによって占められています。
長期間の大量飲酒や、短期間での過度な飲酒が引き金となります。アルコールが膵液の成分を変化させてタンパク栓を作り出し、細い膵管を詰まらせることで膵液の流れが滞ります。また、アルコール自体が膵臓の細胞に直接影響し、酵素の異常活性化を引き起こすと考えられています。男性の発症原因の第1位です。
胆嚢で作られた胆石が胆管を転がり落ちて十二指腸の出口(ファーター乳頭)に詰まることで発生します。膵管と胆管は出口の手前で合流しているため、ここが塞がれると膵液が排出できずに膵管内の圧力が上昇し、膵臓の細胞が影響を受けます。女性の発症原因の第1位です。
血液中の中性脂肪が異常に高い状態(高トリグリセリド血症)、内視鏡検査(ERCP)後の偶発症、腹部の強い打撲傷、特定の薬剤、先天的な膵管の形態異常などが原因となることもあります。
診断と重症度の判定、原因の特定のために、複数の検査を組み合わせて迅速に評価します。
主な検査方法
急性膵炎の治療は、膵臓を休ませることと全身の水分バランスを維持することが基本です。
絶食・絶飲と大量輸液(初期治療)
薬物療法
原因へのアプローチ(胆石の除去)
「みぞおちから背中にかけて、今まで経験したことがないような激しい痛みが突然あらわれた」「体を丸めると少し楽になる」「何度も吐いてしまい、水分もとれない」といった症状がある場合は、急性膵炎の可能性があります。
当院は東新宿駅徒歩30秒・新宿三丁目駅徒歩8分と、新宿エリアからアクセスしやすい立地です。症状や検査結果に応じて内視鏡検査をはじめとする各種検査をご提案し、必要に応じて連携する基幹病院へのご紹介にも対応しています。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。