鎮静剤を使用した内視鏡
鎮静剤を使用した内視鏡
「寝ている間に終わりました」「全然痛くなかったです」とは、鎮静剤を使用した内視鏡検査を受けた方からよく聞く言葉です。鎮静剤を使用した内視鏡検査は、検査中の苦痛を大きく軽減できる有用な方法です。
一方で、鎮静剤の使用には、呼吸が極端に浅くなったり、一時的に息ができなくなったりするリスクが伴うことも事実です(呼吸抑制)。胃カメラ・大腸カメラにおいて、「楽に検査を受けられる」という体験と、安全を担保することは、どちらも欠かせません。
当院では、鎮静剤の効果を最大限に活かしながら、安全管理を徹底した体制で内視鏡検査を提供しています。
鎮静剤を使用することで、検査中の意識を低下させ、苦痛や不安を軽減します。ただ、鎮静剤を使用していることと、寝ていることは、厳密には違った状態です。
鎮静剤使用と睡眠との違い
上記の通り、鎮静剤を使用している際には呼吸機能の管理を重点的に行う必要があります。また、過度な意識低下は危険を伴うことから、日本消化器内視鏡学会のガイドラインでは「意識下鎮静」が推奨されています。「意識下鎮静」とは、「問いかけまたは触覚刺激に対して意図して反応できる状態」とされています。
いわゆる、「声をかけると反応する、ウトウトしている状態」と言えます。
逆に言えば、「全く意識がない」という状態は、麻酔の深度が深すぎるとも言えます。
鎮静剤を使用するメリットは日本消化器内視鏡学会のガイドラインでは2つ挙げられています。
① 患者さんの不安感や不快感を軽減させ、検査に対しての満足度が高くなる。
② 内視鏡検査の検査・治療成績が高くなる。
上記のように、患者さん側、内視鏡を実施する医師側の視点の双方から、鎮静剤の使用はメリットがあるとされています。
鎮静剤を使用することによる主なリスクとして、呼吸抑制や低血圧など、呼吸機能および循環動態への影響が生じる可能性があります。薬剤の効き方には個人差があり、年齢や基礎疾患の有無によっても副作用の現れ方は異なります。
国内の全国調査報告によると、内視鏡検査における鎮静に関連する偶発症率は0.0013%、死亡率は0.000023%と報告されています。発生頻度は低いものの、ガイドラインにおいても、適切な鎮静深度の維持と偶発症予防を目的とした、事前の全身状態や病歴の評価が推奨されています。特に、心疾患、閉塞性睡眠時無呼吸、高度肥満、腎不全、肝不全といった合併症を有する方や、高齢(70歳以上)の方は、鎮静に関連する偶発症のリスクを高める因子として挙げられています。
また、鎮静剤使用後は、めまいやふらつきを起こすことから、歩行時の転倒やベッドからの転落などにも注意する必要があります。特に検査直後の移動の際には十分な注意が必要です。
当院の院長は長年、鎮静剤を使用した内視鏡診療に携わってきました。特に内視鏡検査だけではなく、実施時間が長い内視鏡治療を実践してきた経験から、さまざまな種類の薬剤の取り扱い経験があります。もちろん、万が一の対応についても十分な経験を有しています。
鎮静剤の良い面と悪い面を理解しているからこそ、適切な薬の種類の選定と使用量を、一人ひとりの状態に合わせて判断します。持病や年齢、身体の状態を確認したうえで、鎮静剤の使用が適切かどうかを慎重に判断します。
そして、当院には写真のようなリカバリー室を完備しています。内視鏡室から”寝たまま”移動できる動線を設計しました。そのため、患者さんは検査が終わった後、起き上がることなく、そのままリカバリーエリアに移動することができます。半個室仕様となっておりプライバシーに配慮しながらも、中央一括管理による呼吸状態の確認を常に行います。
当院の考えとして、検査が終わった後の管理こそ、鎮静剤を使った内視鏡では重要であると考えています。そのために、患者さんにとっては快適にしつつも、安全を第一に考えた院内設計となっています。検査後は、看護師が鎮静剤の効果が切れたかどうかをしっかりと確認し、安全にお帰りいただけることを判断したのちにご帰宅いただくようにしています。

当院では事前に問診を行うことで、患者さんの状態を確認します。「寝たまま」をご希望の患者さんに対しては、原則、希望に沿った検査方法をご提案しますのでご安心ください。
ただし、問診上、鎮静剤の使用が難しいと判断した場合には、別の方法をとることがあります。いずれにしても、事前に丁寧にお話ししますので、ご不明点があればご質問いただけます。
安全を第一としますが、原則として患者さんの意向に沿って検査を行います。当院としても「寝たまま」での検査を推奨していますのでご安心ください。
万が一、鎮静剤の使用が難しい場合でも、胃カメラであれば当院では経鼻内視鏡という選択肢があります。経鼻内視鏡は鼻から検査を行うため、嘔吐反射(「おえっ」となる反応)が起きにくい特徴があります。
どうしても鎮静剤が使えない場合は、経鼻内視鏡をご提案させていただくことがあります。検査は十分な経験を有する専門医が実施し、極力ストレスのない検査ができるように心がけています。
鎮静剤を使用した検査の当日は、車、バイク、自転車、キックボードの運転はできません。
ご自身では薬剤の効果が切れたと感じていても、反射神経や判断力の低下が残っている可能性があるためです。そのため、ご来院の際は必ず公共交通機関をご利用いただくようにお願いしています。
鎮静剤の効き方には個人差や体調による影響があります。また、鎮静剤を使用する目的は、苦痛を軽減し、検査を安全に受けていただくことです。
効きにくいからといって薬の量を増やすことは、呼吸抑制などのリスクを高め、安全性の低下が危惧されます。そのため、当院では単一の薬剤を増量するのではなく、複数の薬剤を組み合わせることで、ストレスを軽減できるような方法をとっています。
あわせて、内視鏡の操作自体も丁寧に行うことで、身体への負担軽減に努めています。なにより安全を第一とし、極力苦痛のない、そして質の高い検査ができるように対応しますのでご安心ください。
平日10:00〜13:00 / 15:30〜18:30(13:00~15:30は胃カメラ・大腸カメラのみ)
土日9:00〜12:00 / 14:30~17:30(12:00~14:30は胃カメラ・大腸カメラのみ)
※15分前受付終了のため、あらかじめご了承ください。
休診日:火曜・木曜・祝日
お電話での問い合わせ:03-6205-6630