内視鏡検査を受ける適切なタイミングとは?
内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)は、疾患の早期発見において最も確実な手段の一つです。
多くの方は、健診のメニューにあったからという理由で受けることが多いと思います。また、症状があって消化器内科を受診して受けた方も一定数いるかと思います。
このコラムでは、どのような方が、どのタイミングで胃カメラ・大腸カメラを受けた方がいいのかを書いていきたいと思います。
1. 自覚症状がある場合
以下の症状がある場合は、年齢に関わらず早急な検査を検討してください。
・胃:みぞおちの痛み、胃もたれ、胸焼け、喉の違和感、黒い便。
・大腸:便潜血陽性(検診結果)、便秘と下痢の繰り返し、血便、便が細くなった。
これらの症状は消化器がんや炎症性疾患のサインである可能性があるため、そのままにしておくことは、推奨されません。
ピロリ菌に感染したことがある方は、胃がんの発症リスクが感染歴がない方に比べて高いです。また、ピロリ菌の除菌が成功した後であっても、胃の粘膜に萎縮性変化(慢性的な炎症所見)が残っていることが多く、定期的な観察が不可欠です。ピロリ菌の感染歴がある、もしくは除菌済みの方は、1年毎の定期的な胃カメラ検査を推奨いたします。また、ピロリ菌に感染していることを指摘されたが、そのままにしている方は、早めに消化器内科を受診しましょう。
大腸ポリープ(腺腫)を切除した経験がある方は、その後のサーベイランス内視鏡(定期的に大腸の中をチェックする検査のこと)が必要です。国内の臨床研究「Japan Polyp Study(JPS)」において、適切にポリープを切除し、大腸内を一度、ポリープがない状態(クリーンコロン)にすることで、大腸がんの発症を抑制できることが示されています。
ガイドラインでは、切除したポリープの数、大きさ、病理組織結果に基づき、1〜3年後を目安に次回の検査を受けることが推奨されています。「一度取ったから安心」ではなく、定期的な受診が必要ですので、消化器内科の受診をして検査を受けるタイミングを決めておくことが重要です。
4. 40歳という年齢の節目
消化器がんの罹患率は40代から上昇する傾向にあります。特に大腸がんは、がん化する前段階であるポリープの状態で見つけて切除することで、将来のがん化を未然に防ぐことが可能です。症状がなくても、40歳を過ぎたら一度は大腸カメラを受けることを推奨します。
5. 血縁者に消化器がんの既往がある場合
家族歴がある方は、一般的な推奨年齢よりも早い段階での検査が必要です。遺伝的要因や生活習慣の共有により、リスクが相対的に高まるためです。消化器内科でご相談ください。
<<当院の取り組み>>
検査を先延ばしにしないための当院の体制を取っています。
「平日は忙しい」「待ち時間が長い」という物理的制約が、検査を遠ざける要因となっています。また、せっかく、意を決して受診をしても、「検査の枠がいっぱい」ということはよくある話です。当院ではこの構造的課題を解決するために以下の運用を行っています。
・土日診療の実施
仕事や予定を優先しながら検査を受けるスケジュールが組めます。
・快適な院内環境
時間のかかる検査前に下剤を飲むのを、院内でおこなっていただくのを推奨しています。院内では、Wi-Fi完備、全席コンセント完備の個室ブースで快適な環境で検査に備えていただけます。勿論、看護師がサポートもしますので、検査前の不安にも丁寧に対応します。
・専門医による精度
アクセスの良い新宿エリアで、専門医による大学病院レベルの検査をスムーズに実施いたします。
内視鏡検査は「病気を見つける」だけでなく、「治療も行う」ことができる医療ツールです。早期のがんは内視鏡検査で「診る」ことで見つけることができます。
また、一度やったから安心ではなくて、スケジュールを組んで定期的に行うことが重要です。
内視鏡検査について相談したいという方は、外来にお越しください。
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【参考文献】
1. Matsuda T, et al. Randomised comparison of postpolypectomy surveillance intervals following a two-round baseline colonoscopy: the Japan Polyp Study Workgroup. Gut. 2021;70(8):1469-1478.
2. Tanaka S, et al. Endoscopic Removal of Premalignant Lesions Reduces Long-Term Colorectal Cancer Risk: Results From the Japan Polyp Study. Gastroenterology. 2023;165(4):1058-1068.e7.
3. 日本消化器内視鏡学会編.大腸ポリープ診療ガイドライン2020(改訂第2版).南江堂;2020.
4. 日本消化器内視鏡学会編.ヘリコバクター・ピロリ除菌後の胃内視鏡検診ガイドライン.日本消化器内視鏡学会雑誌. 2023;65(11):2369-2391.


