胃がん
胃がん
胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜の上皮細胞から発生する腫瘍です。日本では比較的罹患率の高いがんの一つであり、主な発生要因として「ヘリコバクター・ピロリ菌」の持続感染による慢性的な萎縮性胃炎が知られています。初期の段階では自覚症状がないことが多く、進行するにつれてみぞおちの痛み、食欲不振、体重減少、吐血や下血(黒色便)といった症状が現れることがあります。
がんが粘膜や粘膜下層にとどまる「早期胃がん」の段階で見つかれば、内視鏡治療(ESDなど)により胃を温存した治療が選択肢となります。固有筋層より深く進行した「進行胃がん」では、リンパ節や肝臓、腹膜への転移のリスクが高くなり、外科的手術や抗がん剤を組み合わせた治療が検討されます。
早期発見のために
早期の段階では、胃がんそのものによる特徴的な自覚症状はないことが一般的です。
早期の症状(無症状)
進行期の症状
胃の壁は、内側から外側に向かって「粘膜」「粘膜下層」「固有筋層」「漿膜下層」「漿膜」の5層構造をしています。胃がんは、最も内側の「粘膜」の細胞から発生する腺がんです。
病理学的な進行度として、がん細胞が粘膜内、または粘膜下層までにとどまっている状態を「早期胃がん」、固有筋層より深い層まで達している状態を「進行胃がん」と定義します。この分類は、がんの表面的な大きさではなく「深さ(深達度)」を基準としており、層が深くなるほどリンパ管や血管を通じた転移のリスクが高くなることが報告されています。
顕微鏡で見た組織型によって、細胞同士が管のような構造を保って増殖する「分化型がん(ピロリ菌感染を背景とすることが多い)」と、構造を作らず周囲に広がる「未分化型がん(スキルス胃がんの原因となることがある)」に分類されます。
胃がんは、進行するにつれて以下の経路で転移することがあります。
粘膜下層より深くに達したがん細胞がリンパ管に入り込み、胃の周囲や、さらに離れたリンパ節へ転移を広げることがあります。
血管に入り込んだがん細胞が血流を通じて全身に運ばれ、肝臓や肺、骨などに転移することがあります。
進行がんが胃の最も外側の膜(漿膜)を越えると、がん細胞がお腹の中の空間(腹腔内)に広がることがあります。これにより腸管の癒着や腸閉塞、腹水がみられることがあります。スキルス胃がんで比較的多くみられる転移形式です。
胃がんの発症には、以下のような要因が関係しています。
胃がんの発症において、最も重要な危険因子として知られています。ピロリ菌が長年胃の粘膜に感染すると、萎縮性胃炎が進行し、胃の粘膜が腸の細胞のように変化する「腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)」に至ることがあります。この慢性的な炎症と細胞再生の繰り返しの中で、細胞に変化が蓄積し、がん化に関係すると考えられています。
「過剰な食塩の摂取」と「喫煙」は、胃粘膜への影響を通じて、発生リスクと関連することが疫学的に報告されています。
一部の胃がんには、EBウイルスの感染が関係するタイプや、特定の遺伝子変異(CDH1遺伝子など)による家族性のタイプがあります。
胃がんの診断、深さ(深達度)の評価、転移の有無(ステージング)を確認するため、以下の検査を組み合わせます。
主な検査方法
胃がんの治療は、深達度、リンパ節転移のリスク、遠隔転移の有無(ステージ)に基づいて選択されます。
内視鏡的切除(ESD)
外科的切除(手術)
化学療法(抗がん剤治療)
早期の胃がんは自覚症状がないことが多く、「食べ物が胸や胃につかえる」「みぞおちの鈍痛が何日も続く」「意図せず体重が落ちた」といった症状が現れた時点では、がんが進行している場合があります。
ピロリ菌に感染したことがある方、あるいは40歳を超えた方は、無症状の段階から年1回程度の内視鏡検査を受けることが、早期発見につながります。
これらは胃の粘膜からの出血を示すサインの可能性があり、ただちに消化器内科を受診し、検査を受けてください。
当院は東新宿駅徒歩30秒・新宿三丁目駅徒歩8分と、新宿エリアからアクセスしやすい立地です。症状や検査結果に応じて内視鏡検査をはじめとする各種検査をご提案し、必要に応じて連携する基幹病院へのご紹介にも対応しています。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。