痔核・裂肛
痔核・裂肛
痔核(いぼ痔)および裂肛(きれ痔)は、肛門周辺の組織に物理的な負荷がかかることで発生する良性疾患で、日本人の成人の多くが一度は経験するとされる頻度の高い病態です。命に関わる疾患ではありませんが、排便時の痛みや出血、肛門からの組織の脱出などを伴い、日常生活に影響することがあります。
確認しておきたい点として、これらの疾患の代表的な症状である「便に血が混じる(血便)」は、大腸がんや潰瘍性大腸炎などの消化器疾患の初期症状と一致しています。「ただの痔だろう」と放置した結果、がんの発見が遅れるケースがあります。出血や痛みがある場合は、大腸内視鏡検査を含めた検査で原因を確認することが推奨されます。
痔核と裂肛は、発生する位置と病態によって症状が異なります。
内痔核(直腸側にできるいぼ痔)の症状
外痔核(肛門側にできるいぼ痔)の症状
裂肛(きれ痔)の症状
直腸と肛門の境界には「歯状線(しじょうせん)」と呼ばれるギザギザの境界線があります。この歯状線を境にして、上部(腸側)は自律神経支配で痛みを感じない粘膜、下部(皮膚側)は体性神経支配で痛みを感じる皮膚(肛門上皮)となっています。
痔核・裂肛の病態
それぞれの疾患は、進行度によって段階(分類)があり、治療方針の参考になります。
内痔核の進行度(Goligher分類)
裂肛の慢性化
痔核や裂肛の発症と悪化には、生活習慣や排便環境といった力学的な負荷が関係しています。
慢性的な便秘によりトイレで長時間強くいきむ習慣があると、肛門クッションの血流が滞り(うっ血)、痔核が増大することがあります。硬い便は裂肛の主な原因の一つです。慢性の下痢も肛門の組織に圧力をかけて炎症を引き起こすため、リスク要因となります。
デスクワークや長距離運転など、長時間同じ姿勢で座り続けることは骨盤内の血液循環を低下させ、肛門周辺のうっ血につながることがあります。過度なアルコール摂取や香辛料などの刺激物は、局所の炎症を促す要因となります。
妊娠による骨盤内の血流の変化や、胎児の成長による圧迫、分娩時の強いいきみは、女性において痔核が悪化する大きな要因となることがあります。
診断と重症度の評価のため、以下の検査を行います。
主な検査方法
痔核・裂肛の治療は、生活指導と薬物療法による「保存的治療」を基本とし、改善しない場合や進行度が高い場合に「外科的治療」を検討します。
保存的治療(基本治療)
外科的治療・処置
排便時の出血、肛門の強い痛み、しこりや組織の脱出が数日以上続く場合は、消化器内科または肛門外科を受診することをご検討ください。
以下のような症状がある場合は、大腸がんや炎症性腸疾患などの病変からの出血が関係している可能性があります。
年齢にかかわらず、大腸内視鏡検査による確認をご検討ください。
当院は東新宿駅徒歩30秒・新宿三丁目駅徒歩8分と、新宿エリアからアクセスしやすい立地です。症状や検査結果に応じて内視鏡検査をはじめとする各種検査をご提案し、必要に応じて連携する基幹病院へのご紹介にも対応しています。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。