膵がん・胆道がんとは|新宿・東新宿駅前こばやし消化器内科

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膵がん・胆道がん

膵がん・胆道がんとは|新宿・東新宿駅前こばやし消化器内科

サマリー(時間がない方はこちらをどうぞ)

膵がんおよび胆道がん(胆管がん、胆嚢がん、乳頭部がん)は、解剖学的に隣接し機能的にも密接に関連する「膵胆道系」から発生する悪性腫瘍です。これらの臓器は胃や十二指腸の奥深くに位置し、初期段階では無症状であることが多いため「沈黙の臓器」と呼ばれます。がんが進行し、胆汁の通り道(胆管)が閉塞して生じる「黄疸」や、神経への浸潤による「背部痛」、「糖尿病の急激な悪化」などを契機に発見されることが多くあります。

根治を期待できる治療法は外科的切除ですが、発見時に切除可能であるケースは全体の2割程度にとどまります。体からのわずかな変化を見逃さず、早めに検査を受けることが大切です。

症状について

発生する部位によって、症状のタイミングと性質が異なります。

  • 閉塞性黄疸(へいそくせいおうだん):膵臓の頭部に発生した膵頭部がんや、胆管がんで重要なサインです。腫瘍が胆管を塞ぐことでビリルビンが血液中に逆流し、皮膚や白目が黄色く染まる、尿がコーラのように濃い茶褐色になる、便の色が白っぽくなる(灰白色便)、全身の強いかゆみが生じるといった症状が現れます。痛みを伴わない黄疸(無痛性黄疸)は、悪性腫瘍との関連が示唆される所見です。
  • 腹痛と背部痛:膵臓の体部から尾部(左側)に発生した膵がんでは、黄疸が出にくく発見が遅れる傾向があります。腫瘍が神経叢に浸潤すると、みぞおちの奥の鈍い痛みや、背中から腰にかけての持続的な重苦しい痛み(放散痛)が生じることがあります。
  • 糖尿病の急激な発症や悪化:膵臓の細胞が破壊されることや、腫瘍から分泌される物質がインスリンの働きを妨げることにより、血糖値が急激に上昇することがあります。
  • 全身症状:がん細胞が栄養を奪い食欲不振が重なることで、数ヶ月単位で体重が減少することがあります。

病気の概要

膵臓は、消化酵素(膵液)を分泌する外分泌腺と、インスリンなどのホルモンを分泌する内分泌腺から構成される臓器です。膵がんの約90%以上は、膵液の通り道である「膵管」の上皮細胞から発生する「浸潤性膵管がん」です。

胆道がんは、肝臓で作られた胆汁を十二指腸へと運ぶ経路(胆道)に発生するがんの総称で、発生部位によって「肝外胆管がん」「胆嚢がん」「十二指腸乳頭部がん」に分けられます。

これら膵胆道がんに共通する病理学的な特徴は、がん細胞の周囲に硬い線維組織を形成する(デスモプラスティック反応)ことです。この線維の壁により腫瘍が硬くなり、抗がん剤などの薬効成分が腫瘍の中心部に届きにくいという治療上の課題があります。

病気の特徴

膵がんおよび胆道がんは、腫瘍が比較的小さい段階から、周囲の重要な血管(上腸間膜動脈や門脈、腹腔動脈など)に浸潤し、外科的な切除が難しくなることがあります。

  • 神経周囲浸潤とリンパ節転移:膵臓や胆道の周囲にはリンパ管や神経のネットワークが広がっているため、がん細胞が神経の束に沿って進む「神経周囲浸潤」や、リンパ節への転移を比較的早い段階から引き起こすことがあります。
  • 高い再発率:目に見える大きな腫瘍を外科的に切除できた場合でも、顕微鏡レベルの微小な細胞が全身に散らばっている(微小転移)ことがあり、術後の再発率が高いという特性があります。

原因・背景

膵がんおよび胆道がんの発症には、生活習慣と遺伝的背景、特定の基礎疾患が関係しています。

膵がんの危険因子

喫煙は最も確実な発がんリスクとして報告されています。慢性膵炎の既往、肥満、大量のアルコール摂取、長期間の糖尿病も関連する危険因子です。遺伝的要因としては、血縁者に膵がんの方が複数いる「家族性膵がん」の家系や、BRCA1/2遺伝子変異(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)などを持つ方は発症リスクが高いことが報告されています。

胆道がんの危険因子

「膵胆管合流異常」が発がんの引き金として知られています。本来十二指腸の壁の中で合流するはずの膵管と胆管が、壁の外側で合流してしまう先天的な異常で、膵液が胆道内に逆流して慢性炎症を引き起こし、がんにつながることがあります。また、原発性硬化性胆管炎(PSC)、大きい胆嚢ポリープ、特定の寄生虫感染なども胆道がんのリスク要因として報告されています。

検査で分かること

膵胆道系は複雑な解剖学的構造を持つため、複数の画像検査を組み合わせて評価します。

主な検査方法

  • 血液検査:腫瘍マーカー(CA19-9、CEA、DUPAN-2など)、胆道系酵素(ALP、γ-GTP)、ビリルビンの数値を測定します。糖尿病の変化を捉えるためにHbA1cも確認します。
  • 腹部超音波(エコー)検査:体への負担がない第一段階の検査です。胆管の拡張や膵管の拡張、胆嚢の異常を確認しますが、皮下脂肪や胃腸のガスの影響で膵臓全体を観察できない場合があります。当院では必要に応じて、提携する高度医療機関と連携して実施します。
  • ダイナミック造影CT・MRI(MRCP)検査:周囲の主要血管への浸潤の有無や、切除が可能かどうかをミリ単位で立体的に評価します。MRCP(磁気共鳴膵胆管造影)は、膵管と胆管の狭窄や拡張の形状を非侵襲的に確認できる検査です。当院では必要に応じて、提携する高度医療機関と連携して実施します。
  • 超音波内視鏡検査(EUS):胃カメラの先端に超音波プローブを取り付け、胃や十二指腸の壁越しに膵臓や胆道を観察します。CTでは確認しにくい数ミリの微小な病変の発見に役立ちます。腫瘍が確認された場合は、そのまま針を刺して細胞を採取する(EUS-FNA)ことで、確定診断および遺伝子パネル検査のための検体確保を行います。
  • 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP):十二指腸の出口から細いチューブを挿入し、直接造影剤を注入して胆管や膵管を確認します。細胞を採取したり、黄疸を解除するためのステントを留置したりする治療を兼ねて実施されます。

治療方針について

膵がんおよび胆道がんの治療は、腫瘍の広がり(ステージ)と主要血管への浸潤の有無に基づいて、手術、化学療法(抗がん剤)、放射線療法を組み合わせた集学的治療が行われます。

外科的切除

  • 腫瘍が主要な動脈に浸潤しておらず、遠隔転移がない場合(切除可能)に適応となります。発生部位に応じて、膵頭部や胆管がんでは「膵頭十二指腸切除術(PD)」、膵体尾部では「膵体尾部切除術」が行われます。

術前・術後補助化学療法

  • 目に見えない微小転移を抑え、再発率を下げるため、手術の前に数ヶ月間抗がん剤を投与する「術前補助化学療法」が標準治療として確立しています。切除可能かどうかの境界上にある腫瘍に対しても、強力な抗がん剤や放射線を先行して腫瘍を縮小させてから手術に持ち込む戦略(コンバージョン手術)がとられることがあります。

化学療法(抗がん剤治療)

  • 手術が難しい場合(切除不能・遠隔転移あり)は、複数の薬剤を組み合わせた化学療法(FOLFIRINOX療法やゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法など)が行われます。遺伝子検査の結果に基づいて、特定の遺伝子変異(BRCA変異やマイクロサテライト不安定性など)に対応する分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が使用できる場合もあります。

緩和ケアおよびステント治療

  • ステント治療:黄疸による肝機能障害や全身のかゆみを取り除くため、内視鏡を使って胆管にステントを留置する処置を行います。
  • 緩和ケア:がんによる痛みを和らげるための医療用麻薬の使用や神経ブロック注射など、苦痛を取り除く緩和ケアは診断され

よくある質問(Q&A)

腫瘍マーカーが正常範囲内でしたが、膵がんの心配はないと考えてよいですか?
腫瘍マーカーが正常であっても、膵がんや胆道がんを否定することはできません。早期の段階では腫瘍マーカーの数値が上昇しないケースが多く、逆にがんがなくても別の理由で数値が上がることもあります。血液検査のみで判断せず、超音波内視鏡(EUS)や造影CTなどの画像評価を受けることが推奨されます。
急に糖尿病が悪化したのですが、膵臓の検査をうけるべきですか?
受診をお勧めします。特に中高年になってから初めて糖尿病と診断された場合や、これまで良好にコントロールされていた血糖値が急激に悪化した場合、その背後に膵がんが関係している可能性が報告されています。消化器内科を受診し、膵臓の画像検査を受けることが推奨されます。
黄疸が出たら、もう手遅れ(末期)ということですか?
黄疸が出たからといって必ずしも末期や手遅れと

受診の目安

膵がんや胆道がんは、自覚症状が現れた時点で進行していることが多い疾患です。体からのわずかな変化を見逃さないことが大切です。

以下の症状がある場合は、消化器内科を受診してください。

  • 白目や皮膚が黄色っぽくなってきた場合:胆管炎を併発して敗血症につながることがあるため、救急外来や消化器内科を受診してください。
  • 尿の色が急に濃い茶褐色になった場合
  • 便が白っぽい灰色になった場合
  • 食事と関係なく持続するみぞおちから背中にかけての鈍い痛みがある場合
  • 急激な体重減少がある場合
  • 突然の糖尿病の発症や血糖値の急激な悪化がある場合

これらの症状がある場合は、自己判断で様子を見ることなく、消化器内科で腹部超音波やCT、EUSなどによる確認をご検討ください。

当院は東新宿駅徒歩30秒・新宿三丁目駅徒歩8分と、新宿エリアからアクセスしやすい立地です。症状や検査結果に応じて内視鏡検査をはじめとする各種検査をご提案し、必要に応じて連携する基幹病院へのご紹介にも対応しています。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。