膵がん・胆道がん
膵がん・胆道がん
膵がんおよび胆道がん(胆管がん、胆嚢がん、乳頭部がん)は、解剖学的に隣接し機能的にも密接に関連する「膵胆道系」から発生する悪性腫瘍です。これらの臓器は胃や十二指腸の奥深くに位置し、初期段階では無症状であることが多いため「沈黙の臓器」と呼ばれます。がんが進行し、胆汁の通り道(胆管)が閉塞して生じる「黄疸」や、神経への浸潤による「背部痛」、「糖尿病の急激な悪化」などを契機に発見されることが多くあります。
根治を期待できる治療法は外科的切除ですが、発見時に切除可能であるケースは全体の2割程度にとどまります。体からのわずかな変化を見逃さず、早めに検査を受けることが大切です。
発生する部位によって、症状のタイミングと性質が異なります。
膵臓は、消化酵素(膵液)を分泌する外分泌腺と、インスリンなどのホルモンを分泌する内分泌腺から構成される臓器です。膵がんの約90%以上は、膵液の通り道である「膵管」の上皮細胞から発生する「浸潤性膵管がん」です。
胆道がんは、肝臓で作られた胆汁を十二指腸へと運ぶ経路(胆道)に発生するがんの総称で、発生部位によって「肝外胆管がん」「胆嚢がん」「十二指腸乳頭部がん」に分けられます。
これら膵胆道がんに共通する病理学的な特徴は、がん細胞の周囲に硬い線維組織を形成する(デスモプラスティック反応)ことです。この線維の壁により腫瘍が硬くなり、抗がん剤などの薬効成分が腫瘍の中心部に届きにくいという治療上の課題があります。
膵がんおよび胆道がんは、腫瘍が比較的小さい段階から、周囲の重要な血管(上腸間膜動脈や門脈、腹腔動脈など)に浸潤し、外科的な切除が難しくなることがあります。
膵がんおよび胆道がんの発症には、生活習慣と遺伝的背景、特定の基礎疾患が関係しています。
喫煙は最も確実な発がんリスクとして報告されています。慢性膵炎の既往、肥満、大量のアルコール摂取、長期間の糖尿病も関連する危険因子です。遺伝的要因としては、血縁者に膵がんの方が複数いる「家族性膵がん」の家系や、BRCA1/2遺伝子変異(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)などを持つ方は発症リスクが高いことが報告されています。
「膵胆管合流異常」が発がんの引き金として知られています。本来十二指腸の壁の中で合流するはずの膵管と胆管が、壁の外側で合流してしまう先天的な異常で、膵液が胆道内に逆流して慢性炎症を引き起こし、がんにつながることがあります。また、原発性硬化性胆管炎(PSC)、大きい胆嚢ポリープ、特定の寄生虫感染なども胆道がんのリスク要因として報告されています。
膵胆道系は複雑な解剖学的構造を持つため、複数の画像検査を組み合わせて評価します。
主な検査方法
膵がんおよび胆道がんの治療は、腫瘍の広がり(ステージ)と主要血管への浸潤の有無に基づいて、手術、化学療法(抗がん剤)、放射線療法を組み合わせた集学的治療が行われます。
外科的切除
術前・術後補助化学療法
化学療法(抗がん剤治療)
緩和ケアおよびステント治療
膵がんや胆道がんは、自覚症状が現れた時点で進行していることが多い疾患です。体からのわずかな変化を見逃さないことが大切です。
以下の症状がある場合は、消化器内科を受診してください。
これらの症状がある場合は、自己判断で様子を見ることなく、消化器内科で腹部超音波やCT、EUSなどによる確認をご検討ください。
当院は東新宿駅徒歩30秒・新宿三丁目駅徒歩8分と、新宿エリアからアクセスしやすい立地です。症状や検査結果に応じて内視鏡検査をはじめとする各種検査をご提案し、必要に応じて連携する基幹病院へのご紹介にも対応しています。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。