急性胆管炎・急性胆嚢炎とは|新宿・東新宿駅前こばやし消化器内科

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胆管炎・胆嚢炎

急性胆管炎・急性胆嚢炎とは|新宿・東新宿駅前こばやし消化器内科

サマリー(時間がない方はこちらをどうぞ)

急性胆管炎および急性胆嚢炎は、肝臓で作られる消化液「胆汁」の通り道である胆道系(胆嚢ならびに胆管)に細菌が感染し、急激な炎症を引き起こす病態です。多くの場合、胆石が胆道の出口や途中に詰まることで胆汁の流れが滞り(うっ滞)、そこに腸内細菌が逆流して増殖することが原因となります。

胆嚢炎は右側の肋骨の下の激しい痛みと発熱が特徴であり、胆管炎はこれらに加えて黄疸を伴うことが特徴です。特に急性胆管炎は、細菌や毒素が直接血液中に流れ込む(敗血症)リスクがあり、数時間単位で血圧低下や意識障害に進行することがあります。これらの症状が現れた場合は、自己判断で様子を見ることなく医療機関で評価と処置(ドレナージや手術)を受けてください。

症状について

胆管炎と胆嚢炎は、発生部位の違いから症状に違いがあります。

急性胆嚢炎の症状

  • 右肋骨下の激しい持続的な痛み:右の肋骨の下(右季肋部)からみぞおちにかけての強い痛みが特徴です。右の肋骨の下を深く押された状態で大きく息を吸い込もうとすると、痛みのあまり呼吸が止まってしまう「マーフィー徴候」という所見が現れることがあります。
  • 発熱・吐き気・嘔吐:38度以上の発熱や吐き気、嘔吐を伴います。胆嚢は袋状の行き止まりの臓器であるため、通常は黄疸が現れることはありません。

急性胆管炎の症状

  • シャルコーの三徴:急性胆管炎の典型的な症状は、①右上の激しい腹痛、②悪寒や震え(戦慄)を伴う高熱、③黄疸(皮膚や白目の黄染、褐色の尿)の3つです。
  • レイノルズの五徴(重症化のサイン):三徴に加えて、④意識がもうろうとする(意識障害)、⑤血圧が急低下する(ショック状態)が現れた場合は、敗血症性ショックに陥っている可能性があります。これらの症状がある場合は、救急車を要請してください。

病気の概要

肝臓で1日に約600〜800ml作られる胆汁は、総胆管を通って十二指腸の出口(ファーター乳頭)から排出されます。一部は胆嚢に一時的に貯蔵・濃縮され、食事の刺激で胆嚢が収縮して排出されます。

本来、胆道の中は無菌状態に保たれています。しかし、物理的な障害物によって流れがせき止められると、腸から逆流してきた細菌(大腸菌やクレブシエラなどの腸内細菌)が滞留した胆汁の中で増殖します。胆嚢の出口(胆嚢管)が塞がって胆嚢内で感染と炎症が起こるのが「急性胆嚢炎」、総胆管が塞がって胆管内で感染が起こるのが「急性胆管炎」です。

病気の特徴

急性胆管炎と急性胆嚢炎には、それぞれ異なる特徴があります。

  • 急性胆管炎の特徴:肝臓内の細かい胆管のネットワークは、肝臓の毛細血管と隣り合わせになっています。胆管が塞がって内部の圧力が上昇すると、化膿した胆汁が壁を突破し、細菌とその毒素が血流に乗って全身に広がることがあります。これにより、数時間から半日という短時間で多臓器不全へと進行することがあります。
  • 急性胆嚢炎の特徴:胆嚢がパンパンに腫れ上がると、胆嚢に血液を送る動脈(胆嚢動脈)が押しつぶされて血流が途絶え、胆嚢の壁が壊死することがあります。放置すると胆嚢が破裂(穿孔)し、化膿した胆汁がお腹全体に散らばって汎発性腹膜炎につながることがあります。

原因・背景

急性胆管炎および急性胆嚢炎の直接的な原因の約80〜90%は「胆石」です。

胆石

胆嚢結石が胆嚢の出口に詰まって抜けなくなることで急性胆嚢炎が発症します。その石が総胆管に転がり落ちて十二指腸の出口に詰まることで急性胆管炎が発症します。

悪性腫瘍(胆管がん・胆嚢がん・膵がんなど)

悪性腫瘍が管を外側から圧迫したり内側で塞いだりすること(悪性胆道狭窄)が原因となることがあります。がんによる閉塞は徐々に進行するため、最初は痛みを伴わない黄疸(無痛性黄疸)として発見され、そこに細菌感染が加わることで急激に胆管炎を発症することがあります。

その他

過去の胃の切除手術や胆道の手術によって腸内細菌が逆流しやすい構造になっている方や、内視鏡検査(ERCP)後の偶発症として発症するケースもあります。

検査で分かること

診断の確定、重症度の判定、原因(石かがんか)の特定のために、以下の検査を迅速に行います。

主な検査方法

  • 血液検査および血液培養検査:白血球数やCRPの上昇から炎症を確認します。AST、ALT、ALP、γ-GTPといった肝胆道系酵素やビリルビンが上昇し、胆汁のうっ滞と肝臓へのダメージを評価します。敗血症の兆候を捉えるため血小板数や腎機能、凝固機能を確認するとともに、どのような細菌が血液中に入り込んでいるかを特定するための血液培養検査を行います。
  • 腹部超音波(エコー)検査:体への負担が少ない検査です。急性胆嚢炎では胆嚢の腫れや壁の肥厚、原因となる胆嚢結石を確認します。胆管炎では総胆管の拡張を確認します。当院では必要に応じて、提携する高度医療機関と連携して実施します。
  • 腹部造影CT検査:炎症の範囲、胆嚢の壊死や穿孔の有無、周囲の臓器への波及を立体的に評価します。また、総胆管結石の位置や胆管がんなどの悪性腫瘍が関係していないかを確認します。当院では必要に応じて、提携する高度医療機関と連携して実施します。

治療方針について

急性胆管炎および急性胆嚢炎の治療は、「感染のコントロール(抗菌薬)」と「物理的な詰まりの解除(ドレナージや手術)」を組み合わせて行います。

急性胆管炎の治療

  • 初期治療:重症度にかかわらず、絶食・絶飲とし、点滴による水分補給と抗菌薬の静脈内投与を開始します。
  • 胆道ドレナージ:中等症から重症の場合は、抗菌薬だけでは対応が難しく、化膿した胆汁を体外に逃がす「胆道ドレナージ」が必要です。第一選択は内視鏡を用いた治療(ERCP)です。口から十二指腸カメラを入れ、出口から細いチューブを胆管に挿入して膿を抜く(ENBDなど)、または出口を切開して詰まっている石を取り除く処置を行います。内視鏡が届かない場合は、体の外から肝臓越しに針を刺してチューブを入れる経皮的治療(PTBD)が行われます。

急性胆嚢炎の治療

  • 抗菌薬と絶食:絶食と抗菌薬の点滴が基本となります。
  • 腹腔鏡下胆嚢摘出術:炎症を根本から解消するための治療として、発症から早期(数日以内)に行う「腹腔鏡下胆嚢摘出術」が推奨されています。炎症の原因となっている胆嚢を胆石ごと切除します。
  • 経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD):高齢の方や重い持病があって全身麻酔での手術が難しいと判断された場合は、局所麻酔で右脇腹から胆嚢に直接チューブを刺し、膿を外に出す処置を行い、炎症が落ち着くのを待つ方法が選択されることもあります。

よくある質問(Q&A)

胆管炎と胆嚢炎はどう違うのですか?
発生している「場所」が異なります。胆嚢炎は胆汁を一時的に貯める「袋」の炎症であり、右上の腹痛が主症状です。胆管炎は胆汁が流れる「本流の管」の炎症であり、腹痛に加えて黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)が現れるのが大きな違いです。解剖学的につながっているため、両方が同時に起こることもあります。
抗生物質(抗菌薬)の点滴だけで治すことはできるでしょうか?
軽症であれば抗菌薬の点滴と絶食だけで炎症が一旦落ち着くこともあります。ただし、根本的な原因である「石の詰まり」が解除されていない限り、再発しやすく、次はより重症化することがあります。内視鏡による石の除去や、胆嚢を摘出する手術といった根本的な介入を合わせて行うことが推奨されます。
手術をせずに放置するとどうなりますか?
急性胆管炎を放置すると、敗血症から多臓器不全につながることがあります。急性胆嚢炎を放置すると、胆嚢が破裂(穿孔)し、化膿した胆汁がお腹の中に漏れ出して汎発性腹膜炎を引き起こすことがあります。いずれも放置して自然に治る病態ではないため、医療機関での対応が必要です。

受診の目安

「右の肋骨の下からみぞおちにかけて激しい痛みが突然現れた」「息を深く吸い込むと右上の痛みが強くなる」「悪寒を伴う38度以上の高熱が出た」という場合は、急性胆嚢炎や急性胆管炎の可能性があります。

以下の症状がある場合は、敗血症性ショックに近い状態の可能性があります。救急車を要請してください。

  • 白目や皮膚が黄色くなっている場合
  • 尿の色が急に濃い茶褐色になった場合
  • 脈が異常に速く、意識がぼんやりしている場合

自己判断で痛み止めなどを飲んで様子を見ることは避け、夜間や休日であっても医療機関を受診してください。

当院は東新宿駅徒歩30秒・新宿三丁目駅徒歩8分と、新宿エリアからアクセスしやすい立地です。症状や検査結果に応じて内視鏡検査をはじめとする各種検査をご提案し、必要に応じて連携する基幹病院へのご紹介にも対応しています。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。