お酒を飲むと顔が赤くなる
お酒を飲むと顔が赤くなる
お酒を飲むと顔が赤くなる現象は、医学的には「フラッシング反応」と呼ばれます。これは、アルコールが体内で分解される過程で生成されるアセトアルデヒドという物質が、血管を拡張させることで起こります。
日本人にはこの反応がみられる方が多く、遺伝的にアセトアルデヒドを分解する酵素(ALDH2)の働きが弱い、あるいは欠損している場合に起こります。単なる体質と捉えられがちですが、この反応がある方が飲酒を続けることは、食道がんなどの上部消化管がんのリスクと関連することが報告されています。
フラッシング反応と関連する疾患
飲酒後すぐに顔面、首筋、あるいは全身の皮膚が赤くなります。これに伴い、心拍数の増加(動悸)、めまい、頭痛、吐き気などの不快感を伴うこともあります。
お酒を一口飲んだ直後から数分以内に現れる場合と、ある程度の量を飲んでから徐々に赤くなる場合があります。
長年お酒を飲み続けていると、次第に顔が赤くなりにくくなる(お酒に強くなったと感じる)ことがあります。これは脳や肝臓がアルコールに慣れたことによるもので、アセトアルデヒドの分解能力自体が向上したわけではありません。赤くならない状態で飲酒を続けることは、粘膜への影響が蓄積しやすい状態と考えられています。
飲酒翌日の強い二日酔いや、全身の倦怠感を伴うことがあります。また、過度な飲酒を続けることは、高血圧や睡眠時無呼吸症候群などとも関連することが報告されています。
フラッシング反応と食道がんリスクの関連には、以下のような背景があります。
アルコールを酢酸に分解する酵素「ALDH2」の働きが弱いタイプ(不活性型)や、ほとんど働かないタイプ(欠損型)の場合、アセトアルデヒドが体内に長く留まりやすくなります。日本人にはこのタイプが一定数存在することが報告されています。
アセトアルデヒドは血管を拡張させる作用があり顔が赤くなりますが、細胞のDNAに影響を与える物質でもあります。食道はアセトアルデヒドに直接触れる時間が長く、分解する酵素も少ないため、影響を受けやすい臓器の一つとされています。
食道がん、咽頭がん、口腔がん、胃がん、肝硬変などが、飲酒との関連で報告されています。フラッシング反応がある方が多量の飲酒を続けると、反応がない方と比較して食道がんのリスクが高くなるという報告があります。
フラッシング反応がある方の食道・胃の状態を確認するため、以下のような検査を行います。
主な検査方法
「お酒で顔が赤くなる」という自覚がある場合は、内視鏡検査による確認が推奨されます。
「昔は赤くなったが今は強くなった」という方は、不快感なく飲酒を続けられる状態であるため、定期的な内視鏡検査による確認が推奨されます。
フラッシング反応がある方の食道がんは、早期であれば内視鏡による切除が治療の選択肢となります。「お酒に弱いから」「お酒に強くなったから」と判断せず、ご自身の傾向を確認したうえで、定期的な検査をご検討ください。
当院は東新宿駅徒歩30秒・新宿三丁目駅徒歩8分と、新宿エリアからアクセスしやすい立地です。症状や検査結果に応じて内視鏡検査をはじめとする各種検査をご提案し、必要に応じて連携する基幹病院へのご紹介にも対応しています。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。