愛煙家でお酒をよく飲む
愛煙家でお酒をよく飲む
日常的に喫煙し、かつ飲酒量が多い状態は、医学的に「重複がん(じゅうふくがん)」のリスク要因として知られています。タバコに含まれる発がん性物質と、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドが、口腔、咽頭、食道、胃、大腸、肝臓などの粘膜に影響を与えることが報告されています。
特に、お酒を飲んで顔が赤くなるタイプ(フラッシング反応が出るタイプ)の方が喫煙を続けている場合、食道がんのリスクが高くなることが報告されています。アルコールがタバコの有害物質を粘膜に浸透させやすくする「相乗的な発がん促進」が起こるためです。
喫煙・飲酒と関連する疾患
初期段階では自覚症状が乏しいことが特徴です。一方で、粘膜の慢性的な炎症により「のどの違和感」「胸の奥がしみる感じ」「慢性的な咳や痰」などを感じている場合があります。
飲酒中や喫煙直後に、のどや食道の粘膜に軽い痛みや熱感を覚えることがあります。長年の習慣により、粘膜が厚くなったり(角化)、薄くなったり(萎縮)する変化が起きていることがあります。
胸やけ、胃もたれ、酸っぱいものが上がる呑酸(どんさん)などを伴うことがあります。喫煙は下部食道括約筋を緩め、胃酸の逆流に関係することがあります。アルコールは胃粘膜に影響するため、慢性胃炎や胃潰瘍を併発しやすくなることがあります。
慢性的な咳、息切れ、疲れやすさがみられることがあります。喫煙と飲酒の組み合わせはビタミンB群やCなどの栄養素に影響することがあり、肌荒れや口内炎が治りにくいといった変化が現れることもあります。理由のない体重減少がある場合は、内視鏡検査による確認が推奨されます。
喫煙・飲酒と消化器疾患のリスクには、以下のような背景があります。
タバコの煙に含まれるベンゾピレンなどの物質は、アルコールに溶けやすい性質を持っています。お酒を飲みながらタバコを吸うことで、これらの物質が食道や胃の粘膜に留まりやすくなることが報告されています。アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドは、DNAの修復に関わる機能に影響することが知られています。
喫煙による一酸化炭素の吸入は、全身の細胞が利用できる酸素量に影響します。そこへアルコールによる血管拡張と心拍数の増加が加わることで、循環器への負担が増えるとともに、粘膜の状態に影響することがあります。
食道がん(特に扁平上皮がん)、咽頭がん、口腔がん、胃がん、大腸がん、肝がん、膵がんなどが、喫煙・飲酒との関連で報告されています。消化器以外でも、肺がんや膀胱がん、心筋梗塞、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などとの関連が指摘されています。
喫煙・飲酒の習慣がある方の食道・のど・胃の状態を確認するため、以下のような検査を行います。
主な検査方法
喫煙と飲酒の習慣がある方は、定期的な内視鏡検査による確認が推奨されます。
「朝起きた時のどの調子が悪い」「食事が美味しく感じられなくなった」といった変化も、内視鏡検査による確認の目安になります。喫煙と飲酒の両方の習慣がある場合、喉と食道など複数の部位に同時にがんができることがある(重複がん)ことを踏まえ、定期的な検査が推奨されます。
このリスク群で見つかるがんは、早期であれば内視鏡治療が選択肢となります。「自分はまだ大丈夫」と判断する前に、ご自身のリスクを確認したうえで、定期的な内視鏡検査をご検討ください。
当院は東新宿駅徒歩30秒・新宿三丁目駅徒歩8分と、新宿エリアからアクセスしやすい立地です。症状や検査結果に応じて内視鏡検査をはじめとする各種検査をご提案し、必要に応じて連携する基幹病院へのご紹介にも対応しています。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。