新世代の便秘薬について|東新宿駅前こばやし消化器内科|東新宿駅から徒歩30秒|生活に寄り添った内視鏡検査で食道・胃・大腸から健康をサポート

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新世代の便秘薬について

新世代の便秘薬について|東新宿駅前こばやし消化器内科|東新宿駅から徒歩30秒|生活に寄り添った内視鏡検査で食道・胃・大腸から健康をサポート

「毎日出ない」「すっきりしない」「お腹が張る」——便秘は日常的な悩みである一方、適切な治療を受けていない方が多い疾患でもあります。

市販薬にはいかにも便が出そうな名前の薬もありますが、このコラムでご紹介する「アミティーザ」「リンゼス」「グーフィス」は、名前だけでは何の薬かわからないかもしれません。しかしいずれも日本消化器病学会のガイドラインで推奨される医療用医薬品で、アミティーザは2012年、リンゼスは2017年、グーフィスは2018年の発売以来、多くの患者さんに処方されてきた実績があります。

このコラムでは、便秘症の基本と、当院でよく処方するこれら3剤についてわかりやすく解説します。

便秘症とは?

「便秘」とは、便が十分に排出できない状態のことです。排便の回数が少ない(週3回未満)だけでなく、毎日排便があっても残便感や排便困難があれば、便秘症として治療の対象になります。

『便通異常症診療ガイドライン2023』では、便秘症を「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義しており、排便回数だけでなくQOL(生活の質)への影響が重視されています。

便秘の種類

  • 器質性便秘:大腸がんや腸の癒着など、腸の構造的な異常が原因の便秘。まず原因疾患の治療が必要です
  • 機能性便秘:腸に構造的な異常はなく、腸の動きや水分分泌の問題で起こる便秘。生活習慣の改善や薬物療法が有効です
  • 症候性便秘:糖尿病・甲状腺機能低下症・パーキンソン病などの全身疾患、または薬の副作用が原因の便秘

「便秘くらい」と放置せず、慢性化している場合は一度受診することをおすすめします。大腸カメラで器質的疾患を除外したうえで治療方針を決めることが、遠回りのようで最も確実な方法です。

便秘薬の種類と治療の流れ

ガイドラインでは、生活習慣の改善(食事・水分・運動)を基本としたうえで、薬物療法をステップアップしていくことが推奨されています。まず安全性の高い浸透圧性下剤(酸化マグネシウムなど)から始め、効果が不十分な場合に新機序薬を検討するのが一般的な流れです。

STEP 1:生活習慣の改善

水分摂取・食物繊維・適度な運動。薬物療法の前提として重要です。

STEP 2:浸透圧性下剤

酸化マグネシウム(マグミット)、モビコールなど。安全性が高く、第一選択として使われます。

STEP 3:新世代の便秘薬

アミティーザ・リンゼス・グーフィスなど。従来薬で効果が不十分な場合、または症状のタイプに応じて選択します。

STEP 4:刺激性下剤(頓用)

センノシド・ピコスルファートなど。数日間排便がない場合の頓用として使います。連用は避けることが推奨されています。

アミティーザ(ルビプロストン)

便を柔らかくして、腸の動きも整える

小腸の上皮細胞にある「クロライドチャネル」を活性化し、腸管内への水分分泌を促す薬です。便が柔らかくなり、腸の動きが改善されることで排便を促します。腸管局所で作用し、全身への吸収はほとんどないため、腎機能に関わらず使いやすい薬です。

使用上の注意点

  • 服用タイミング:朝・夕の食直後に服用します。空腹時に飲むと吐き気が出やすくなります
  • 主な副作用:吐き気(約13%)、下痢(約12%)。食後服用を守ることで吐き気はかなり軽減されます
  • 妊婦への投与は禁忌:妊娠中または妊娠の可能性がある方は使用できません
  • 若年女性:吐き気の副作用が出やすい傾向があり、慎重に使用します

リンゼス(リナクロチド)

便を柔らかくして腸を動かす+お腹の痛みや不快感にもアプローチ

腸管の表面にある「GC-C受容体」を刺激し、腸管内への水分分泌を促す薬です。アミティーザと同様に腸を潤す作用に加え、大腸の痛覚過敏を改善する作用も持っています。腹痛や腹部不快感を伴う「便秘型過敏性腸症候群(IBS-C)」にも適応があるのが特徴です。

使用上の注意点

  • 服用タイミング:食前に服用します。食後に飲むと効果が過剰になり、下痢が起きやすくなります
  • 主な副作用:下痢(約9〜13%)。重度の下痢が起きた場合は服用を中止して受診してください
  • 腹痛を伴う便秘に有効:お腹の痛みや張りを伴う便秘では、特に効果が期待できます

グーフィス(エロビキシバット)

効果発現が早く、腸をしっかり動かしてくれる

胆汁酸(肝臓で作られ、食後に十二指腸へ分泌される物質)の再吸収を腸で阻害することで、大腸内に胆汁酸を増やす薬です。増えた胆汁酸が大腸への水分分泌と腸の蠕動運動を促進し、排便を助けます。世界初の「胆汁酸トランスポーター阻害薬」で、国内臨床試験では投与24時間以内に85%の患者さんで初回の自然排便が認められています。

使用上の注意点

  • 服用タイミング:食前に服用します。食後に分泌される胆汁酸に先行して作用させるため、食前の服用が必須です
  • 主な副作用:腹痛、下痢、腹部膨満感。投与初期に出やすい傾向があります
  • 胆道閉塞・胆汁分泌低下がある方:作用機序上、効果が期待できない場合があります
  • ウルソデオキシコール酸(ウルソ)との併用:グーフィスがウルソの吸収を阻害する可能性があるため、併用時は注意が必要です

3剤の比較

アミティーザ

服用:食直後(1日2回)/腎機能を問わず使いやすい/吐き気に注意/妊婦禁忌

リンゼス

服用:食前(1日1回)/腹痛・腹部不快感にも有効/便秘型IBS-Cに適応あり

グーフィス

服用:食前(1日1回)/効果発現が早い/胆汁酸を利用した独自の作用機序

どの薬が適しているかは、症状のタイプ・年齢・持病・服用中の薬によって異なります。「薬が効かない」「副作用がつらい」という場合も、薬を変更・調整することで改善できることがほとんどです。自己判断で中止せず、ご相談ください。

よくある質問

便秘薬を飲み続けると、腸が薬に頼るようになりますか?
アミティーザ・リンゼス・グーフィスのような新世代の便秘薬は、従来の刺激性下剤(センノシドなど)と異なり、長期使用による依存性(腸が薬なしでは動かなくなる状態)のリスクは低いとされています。ただし、いずれも医師の管理のもとで使用することが大切です。
市販の便秘薬との違いは何ですか?
市販薬の多くはセンナやセンノシドなどの刺激性下剤です。即効性はありますが、連用すると腸が刺激に慣れて効きにくくなることがあります。アミティーザ・リンゼス・グーフィスは処方薬(保険適用)で、腸への作用の仕組みが異なり、継続的な治療に向いています。
大腸カメラを受けないと、便秘薬は処方してもらえませんか?
大腸カメラは必須ではありませんが、便秘が長期間続いている場合や血便・体重減少などを伴う場合は、大腸がんや腸の病気が隠れていないかを確認することをおすすめします。器質的な原因を除外したうえで治療を進めることが、より確実な改善につながります。
便秘薬は保険で処方してもらえますか?
アミティーザ・リンゼス・グーフィスはいずれも保険適用の処方薬です。受診の際に症状をお伝えください。

当院での便秘症の診療

当院では、便秘の症状や原因を丁寧に確認したうえで、生活習慣の指導と薬物療法を組み合わせた治療を行っています。「長年の便秘が改善しない」「薬を変えてみたい」という方はお気軽にご相談ください。

また、”ただの便秘”だと思っていたら、大腸がんだったということもあります。もちろん可能性は低いことではありますが、便秘症状がある方は、一度は消化器内科を受診して、大腸カメラで腸の状態を確認することを検討してみてください。当院の大腸カメラについて詳しくはこちらをご覧ください。

なお、当院はWeb予約で受診いただけます。便秘でお悩みの方は、東新宿駅前こばやし消化器内科にご相談ください。

監修者情報

小林雅邦

東新宿駅前こばやし消化器内科-内視鏡でみる食道・胃・大腸の疾患と症状- 院長

小林雅邦

東京慈恵会医科大学にて内視鏡診断・治療の進歩とともに知識と技術を積み重ね、胃カメラ・大腸カメラ検査はもちろん、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を含む内視鏡診断・治療において豊富な臨床経験を持つ。

経歴

学歴
2001年3月 私立桐蔭学園高等学校卒業
2007年3月 東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業
2017年1月 東京慈恵会医科大学大学院博士課程修了(学位取得)
職歴
2007年4月 東京慈恵会医科大学附属青戸病院 初期臨床研修医
2009年4月 東京慈恵会医科大学附属病院 後期臨床研修医
2011年4月 厚木市立厚木病院に出向
2012年4月 東京慈恵会医科大学附属病院内視鏡科 リサーチレジデント
2016年4月 東京慈恵会医科大学内視鏡科 助教・東京慈恵会医科大学附属病院内視鏡部 診療医員
2018年10月 東京慈恵会医科大学附属第三病院内視鏡部 診療医員・第三病院内視鏡科 医局長
2022年4月 東京慈恵会医科大学附属第三病院内視鏡部 診療医長
2022年9月 東京慈恵会医科大学附属病院内視鏡部 診療医長
2023年4月 東京慈恵会医科大学内視鏡医学講座 医局長
2026年4月 東新宿駅前こばやし消化器内科 院長
東京慈恵会医科大学附属病院・西部医療センター 非常勤診療医長

資格・所属学会

  • 医学博士
  • 日本内科学会:内科認定医
  • 日本消化器病学会:消化器病専門医・指導医
  • 日本消化器内視鏡学会:消化器内視鏡専門医・指導医
    上部消化管内視鏡スクリーニング認定医
    大腸内視鏡スクリーニング認定医
    関東支部 学術評議員
  • 難病指定医(東京都)
  • 厚生労働省指定オンライン診療研修修了
  • 第17回東京慈恵会医科大学研修指導医講習会修了
  • がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
  • 令和5年度共用試験医学系臨床実習前OSCE評価者認定講習会修了